Apple、GooglePlay、Amazonなどの電子書籍ストアに掲載できる
電子出版サービスの価格と内容を比較し検討するために調べた結果です。


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電子出版を始めたいと考える出版社は多いと思う。
今回どんなサービスがどの位の価格で在るのかを調べて見たので情報共有としてレポートをします。

スマホやタブレット端末が世の中に浸透するのと同時に紙から電子メディアへの移行が起きています。
また簡単かつ素早く手に入るという利便性から、電子出版物を読む習慣が一般化しつつあります。
電子出版だけを刊行される書籍も増えつつあり、電子出版を避けては通れない時代に突入しました。
最新の電子出版サービスを上手く利用すれば、すぐにこの波に乗ることができそうです。
各社から発表されている電子書籍アプリを作成・配信するサービスの比較をし、最適なサービスを選択するための情報を提供します。







市場の動向

スマートフォンとタブレットは一人1台を超える

急激に普及した携帯電話は10年足らずで公衆電話と家庭電話を一掃してしまいました。その携帯電話もスマートフォンに替わりインターネットを手軽に使用できる環境を全ての人たちが持つようになったのはごく最近であります。
それに連動してスポンサーのメディア広告予算の半分をインターネットが奪ってしまいました。
広告収入が重要な収益源である出版業は紙媒体では広告収入の減少は切実な問題となることは明らかです。 
Apple(IOS)のシェアーは日本では30%位で、7割をアンドロイドが占めており、その比率はどんどん高まっている。Androidのサポート抜きには電子出版は語れない状況である。

電子出版を手掛けないと先は無いと痛感し、いざ始めようと調べてみると現実の選択肢の少ない事に驚きました。


2014年度スマートフォンとフィーチャーフォンを合わせた携帯電話端末契約数は12424万件となり、人口普及率97.8%に達したといわれる。


調べた結果、業務に使えるサービスの少ない現実が分かって来ましたので纏めてみました。

1) PressPad

ポーランドに本社を置く電子出版の専業企業で、Apple Newsstand、Google StoreとAmazon Kindleに掲載ができる。
アプリはIOS, Android、Fireの標準を使っており標準装備で個別インストールの必要はない。
日本ではディーアンドディー社が総代理店として販売サポートを行っている。
初期費用なし、月額定額6,000円から、売上シェアーなしで100%全額還元される。
入稿は印刷用に使うPDFファイルを提出するだけで電子出版が始められると言うサービスを展開している。
実際に手間もコストも掛からないで、Newstand, GooglePlay, Amazonの様な一流メディアへの掲載を全てやってもらって、月額費用のみと言う嘘の様なサービスを提供している。
またコンテンツをアプリで提供している唯一のベンダーである。

2)モリサワ

印刷機器、活字などの老舗で多くの出版社と取引がある。早くから電子出版サービスを手掛けており、Appleなどのメディアへの掲載サービスを提供している。初期費用、維持費、売上シェアーなどで投資額は50〜100万円程度掛かるので中小の出版社では費用対効果を考えると難しい。
また、独自アプリであるために、IOSのバージョンアップにより動作しなくなったりすると言われている。
それと、Androidはサポートしていないので、スマホの7割のユーザには届かない。

3)Woody

PressPadに近いサービスを提供していたが(過去形)、最近サービスを停止しているので、ここでは敢えて解説はしないでおきます。

4)PixelMag

米国の電子出版ソフトのベンダーで日本ではソーシャルエイジェント社が代理店をしている。基本的にソフト売りなのでサービスとは異なり、自社でシステム構築が必要であるので、コストも人員も必要なため、それなりの規模がないとペイはしない。
手軽に始められないが、本格的に電子出版を自社で行う場合はAdobeなどと比較して安くシステムを構築できる。



調べた結果を各項目別に表にしてみるとこのように簡単に比較ができる。
PressPadのサービスが群を抜いたサービスを提供しているのが結論です。


項目 PressPad モリサワ Woody PixcelMag
企業体 ポーランド 印刷関連業 日本専業VC 米国
初期費用 ゼロ 30〜50 万円 ゼロ ゼロ
月額 6,000円から あり(〜8千円) ゼロ 2万円〜5万円
売上分配 全額還元 シェアー(40%) シェアー(50%) なし
最低使用料 無し 無し 無し 15,000円(月額)
違約金、追加支払い 一切なし 返金なし なし ペナルティ
配信プラットフォーム Apple ,Google、Amazon Appleのみ 自社 Apple ,Google、+
使用アプリ 標準アプリ使用 独自アプリ 独自アプリ 標準+
ベンダーロゴ 可能 不可 不可 不可
市場 世界 日本中心 日本中心 世界
無料誌(Free Paper) OK NG NG OK
アプリ内Sound.Video 有償 有償 有償 含む
URL外部リンク OK OK OK OK
i-Beacon サービス在り 可能 なし なし
入稿作業サポート 無償 月額に含む 無償 有償(3万円/h)
容量 200MB 200MB 200MB 200MB
導入コスト/リスク なし あり なし あり


これからの動向
電子コンテンツは読み物からアプリケーションへ


電子コンテンツはデジタル化により文章を伝えるデータからプログラムとして動作する電子アプリケーションへと変貌しその可能性を広げます。 Appleスマートフォンに搭載されたiBeaconの技術は正にそれを象徴するもので、端末がビーコンの電波を受信すると電子書籍ストアサイト内の有料コンテンツが無料で閲覧できる環境を提供するサービスが可能になりました。このサービスはコンテンツの配信を、ラウンジ、ショールーム、イベント会場、クラスルームなどのエリア内だけの特別なサービスとして提供し、設置エリアへの誘導・集客のみならず、クーポン発行、限定情報提供などにも対応する事ができ、コンテンツの可能を大きく広げます。

【 動作イメージ 】          

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@    提供エリア内に入るとビーコンを受信し、対応した電子アプリがエリア内であることを確認。

A     アプリ内の「購読」ボタンが「ダウンロード」ボタンに切り替わり、購入せずに自由閲覧が可能になる。

1.     ロービー、ラウンジなどで有料の雑誌などを自由に無料で読める「Free Reading Zone」の設置。

2. セミナー会場での有料教材、参考書籍などの参照び特典情報の配布。

3.     自動車展示場、ゴルフ場のラウンジなどの場所で特定分野の情報提供を行う。

4.     クーポン発行、エリア限定情報の配信などを行い、情報誌とのコラボで商品の販売を促す。

電子コンテンツは読むことから、色々な事が出来るアプリケーションへと変化をしています。動画や音声は勿論、コンテンツ検索、購読制御、セキュリティ保護、互換性保障など、多くの使い方が考えられます。

電子化はデジタル化であり、デジタル化はプロセス化を意味し、単なる紙に記した記号からコンピュータが読めるプログラムになる事を意味します。最初に正しい選択をすることが出来ないと電子化の将来を大きく変えてしまいます。

現在PressPadだけが、アプリケーションとして電子コンテンツを扱っている。

各社の特徴を纏めてみた。
各々特徴はあるけれど、まず始めるならPressPadが一番の選択肢となるのではないか。


          
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